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映画『私は貝になりたい』

戦争末期、上官の命令で米軍捕虜の殺害に関与した二等兵が、戦後BC級戦犯の裁判にかけられ死刑を言い渡される。命令を下した上官たちは殺害指示は出していないなどと責任逃れの供述をする。巣鴨プリズンの独房で再審の嘆願書を書くのだが、最終的には死刑が執行される。BC級戦犯の裁判についてはA級戦犯のそれに比べ、スポットライトが当たることが少なく、実態が明らかになっているとは言い難い。以前には、捕虜監視員だった多数の朝鮮人がBC級戦犯で有罪判決を受けていたことを高麗博物館の展示で知った。命令を下した指導部、上官が裁きを免れ、その命令に従わざるを得なかった末端の兵士が重刑を負う。こんなところにもあの戦争の醜悪さ、不条理を見せつけられる。



監督:橋本忍、1959、『私は貝になりたい』
映画視聴日:2025年8月12日
映画館:新文芸坐

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