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柴崎友香『週末カミング』

高麗博物館

高麗博物館に行ったのは2度目。1度目は3年前、関東大震災100年の企画展で、当時の惨状が描かれた絵巻などが展示されていた。戦後80年の今年は『なぜ「朝鮮人」が戦犯になったのか 戦後80年を迎えてなお続く植民地主義を問う』という企画展示がおこなわれていた。アジア太平洋戦争の最中、捕虜監視員として動員されていた台湾・朝鮮出身の青年たちがいた。「白人捕虜を植民地の青年が監視する」という欧米列強に対する日本の優位を誇示するプロパガンダの側面もあったという。彼らの多くは軍人ではなく軍に雇われた軍属であったのだが、戦後の戦犯裁判でBC級戦犯として有罪判決を受け、有罪が321人、うち45人が死刑となった。彼らは日本国籍がないからと国から何の補償も受けることはなかった。「都合の良い時には日本人、都合が悪くなると外国人」。例えようのない理不尽に翻弄され続けてきたのだ。こうした史実があることを全く知らなかった。そして、その理不尽な扱いは過去のことではない。日本からも韓国からも外国人と見做され続ける在日3世の女性の手記に言葉を失う。



高麗博物館
訪問日:2025年5月8日

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