「南洋は親日的」は本当なのかという問いから、南洋諸島、八丈島、沖縄をめぐって様々な戦争の記憶を辿る。当然ながら答えは一様ではない。「一等国民日本人、二等国民沖縄人、三等国民豚・カナカ・チャロモ、四等国民朝鮮人」(寺尾 2019、38)。南洋で流行った歌の一節に当時の差別意識が見てとれる。「確かに多民族状況が発生し、生々しく人間の序列化が行われていた」(寺尾 2019、159)。「日本人は白人は尊敬するが、そうでないのは尊敬しない」(寺尾 2019、169)。「西洋の白人からアジアを解放しよう、という「大東亜共栄圏」構想のうさん臭さと、欺瞞性」(寺尾 2019、169)。あの戦争における心性が未だにあちこちに残っているような気がする。
寺尾紗穂、2019、『南洋と私』、中央公論新社。

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