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映画『父と家族とわたしのこと』

ジョージ・タケイ『ぼくらの自由がうばわれる時──第二次世界大戦の日系アメリカ人の物語──』

日系アメリカ人の俳優ジョージ・タケイが、第二次世界大戦で収容所暮らしを強制された自身の経験を伝える絵本。日本がハワイの真珠湾を攻撃したあと、ルーズベルト大統領は西海岸に住む日系アメリカ人を強制収容所に入れる命令を発した。日系アメリカ人を「敵性外国人」と見做したのだ。収容されていた一部がアメリカ陸軍の兵隊としてヨーロッパ戦線に送られることもあったという。

ジョージの父親は、収容所に送られる途中「田舎でバケーションだ」と彼に言い聞かせる。苛酷な状況におかれても希望を失わないように向かう姿勢が胸をうつ。映画『ライフ・イズ・ビューティフル』で「これはゲームで優勝すれば戦車に乗せてもらえる」と収容所生活の息子を勇気づけていたシーンを思いだす。

翻訳したジャーナリストの北丸雄二はあとがきに記す。「私たちの自由や平等な権利は、気をつけていなければどんな時代でも、どんな国でも簡単に奪われてしまいます」。排外主義が跳梁跋扈する今の時代だからこそ響くものがある。

1988年レーガン大統領はこの強制収容を公式に謝罪し賠償金を支払ったという。翻ってこの国はどうか。戦前戦中における朝鮮半島出身の人々への様々な強制労働や虐待に謝罪するどころか事実を認めることすら避け続けているではないか。

ジョージ・タケイ著・ミッシエル・リー絵・北丸雄二訳、2025、『ぼくらの自由がうばわれる時──第二次世界大戦の日系アメリカ人の物語──』、サウザンブックス社。

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