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半藤一利・竹内修司・保阪正康・松本健一『占領下日本 (上)』

戦前戦中の史実の醜悪さは論を待たないが、占領下に起きた諸事も見過ごすことはできない。現在に通じる問題を孕んでいるからだ。1946年1月の天皇による所謂「人間宣言」。「五箇条の御誓文」を持ち出しているのはなぜか。「あれは人間宣言ではない。天皇制下の民主主義の再確認なのだ」(松本 2012、146)。果たして昭和天皇は自らの戦争責任に向き合って考え抜いていたのだろうか。敗戦2日後の8月17日に東久邇宮内閣は「進駐軍特殊慰安施設」をつくることを閣議決定。8月27日にはRAA(特殊慰安施設協会)がオープン。「昨日まで『鬼畜米英』とか『撃ちてし止まぬ』と言っていたのが、今日はもうアメリカ兵のために慰安施設を作っている。こんな変わり身の早い民族だとは思わなかった」(松本 2012、253)。80年経過しても代わり映えしない現実を感じざるを得ない。

半藤一利・竹内修司・保阪正康・松本健一、2012、『占領下日本 (上)』、筑摩書房。

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