戦場へ駆り出され復員した兵士が抱えていた戦争トラウマ。苛烈な暴力という形で家族に向けられる。その暴力が子や孫にまで連鎖していく。戦争が終結しても、その兵士が亡くなっても、家族の傷は決して癒えない。帰還兵の父の暴力に苦しんだ子どもが今度は自らの子どもに暴力をふるってしまう。次にはその子どもも親になり...。おそらくは日本中このようなことは起きていたし今も尚残り続けているのだろう。日本だけではない。戦争を経験した世界中の国々で終わらない戦争に苦悩し続けている。戦争が蝕むものは兵士だけではないのだ。上映後のアフタートークで、国家がおこした戦争によって生じた重い問題なのに、国家は市民にずっとその傷を背負わせたままだ、というフォトジャーナリスト安田菜津紀さんの指摘に深く首肯する。
監督:島田陽磨、2026、『父と家族とわたしのこと』
映画視聴日:2026年3月17日
映画館:ポレポレ東中野


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