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冒頭、千葉県にある戦前に掘られた巨大な地下壕の映像が流れる。本土決戦に備えた要塞と推察される。その地下壕で戦後40年間も生活していた2名の人物がいたという。その人物は戦時中731部隊に所属していた。731部隊は戦後何ら罪をとわれることはなかった。そればかりか戦後彼らの多くは医師会、大学、大病院、製薬会社の重鎮として、医療のヒエラルキーの上位で力を持つ存在になっていった。日野原重明が生前医師にとって最も大切なことは何かと問われ、「戦争をさせないこと」と語ったというエピソードが紹介される。ひとたび戦争が起きれば何万という人が死ぬ。それに比べたら医療で救うことができる人の数はたかが知れている。だからこそ、医療従事者は戦争に反対を掲げるべきなのだとある医師は語る。まさにその通りだ。しかし戦後、医師会が戦争についてメッセージを表明したことはない。731部隊どころかあの戦争のことすら知らない医学生たちが医者になっていく現実。社会の片隅で弱き人々に手を差し伸べながら、戦争の気配に抗い続ける気骨ある人たちの言葉が紡がれるドキュメンタリー。
監督:山本草介、2025、『医の倫理と戦争』
映画視聴日:2026年1月7日
映画館:ポレポレ東中野

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