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憲法14条をはじめとした法律と判例などを手がかりに「差別」問題を考察した論考。昨今、政治家が率先して差別発言をすることが頻繁に見受けられる。本来差別を諫める立場の人間がそういう有り様なのだから、市井の人々の差別意識に躊躇いが無くなるのもむべなるかな、である。しかも差別者は判で押したように「差別の意図はない」と弁明する。「差別をする者に、「差別の意図」や「傷つけるつもり」がないとしても、それは当人の主観ではそうだというにすぎない。(中略)偏見や差別的感情・評価に基づく行為は、客観的に見れば「差別の意図」によるものと評価せざるを得ない」(木村 2023、109)。「日常にある差別行為を「マイクロアグレッション」などと特別の名前で呼び、「差別の意図」や「傷つけるつもり」がない行為だと強調する議論は、的を外している。無自覚な差別こそが典型的な差別であり、それを特別視する必要はない」(木村 2023、110)。加えて更に悪質なのは、SNSなどで差別言動を繰り返し、その再生回数で利益を得る輩や差別で議席を得ている政治家であることは論を待たない。また、夫婦別姓の問題については以下のように断罪する。「別姓希望カップルに配慮しても過剰・不均衡は生じないのに、配慮を否定する。これは、典型的な合理的配慮の否定だ。夫婦同氏論の維持は、差別の一種と言わざるを得ないだろう」(木村 2023、170)。
木村草太、2023、『「差別」のしくみ』、朝日新聞出版。

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