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栗原俊雄『戦争と報道──「八月ジャーナリズム」は終わらない──』

毎日新聞記者で「一年中、八月ジャーナリズム=常夏記者」として知られ、戦争報道を続ける筆者の、現在の立ち位置がどうやって作られたのか興味深く読んだ。新聞記者もサラリーマンであり、希望の部署に就けることは稀であり、異動も少なくない。あまり関心が向かない仕事が苦行であることはよく分かる。しかしどんな仕事にも得られるものはあるし、思わぬ仕事の機会が訪れることもある。そんな共感も勝手におぼえた。「「戦争報道の文法」つまり「昔ひどい戦争がありました。戦争だけはやってはいけない」というお決まりの報道は、戦争の記憶が色濃く残っていた時代に比べて、「効力」が衰えてきている」(栗原 2025、68)。「戦闘が終わっても戦争被害は終わらない。広義の戦争は未完なのだ」(栗原 2025、25)。だからこそ戦争報道に終わりはないし、終わってはならないのだ。

栗原俊雄、2025、『戦争と報道──「八月ジャーナリズム」は終わらない──』、岩波書店。

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