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ジャーナリスト江川紹子が日本の戦争責任の研究者大沼保昭にインタビューするという形式で、対立があるとされる近現代史の諸問題について論じらてれている。10年前の本という限界はあるだろうが、「反日」とか乱暴なワードがかぎかっこ無しで使われているなど、首を傾げる見解も少なくない。ただ10年後、さらに極端な歴史否定論者が猖獗を極めている現在、少なくとも政治家と呼ばれる人たちには本書の共通認識ぐらいは前提として議論してほしいものだ。以下、備忘録として抜粋。「「だまされた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく何度でもだまされるだろう」(大沼 2015、77)。伊丹万作の言葉。「戦時中の日本の戸籍は、民族的日本人を対象にした内地戸籍と、朝鮮戸籍、台湾戸籍に分かれていて、引き揚げ協定に含まれていたのは内地戸籍の人たちだけ」(大沼 2015、102)。日本はサンフランシスコ平和条約で朝鮮人は日本国籍は失ったという立場だという。「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります」(大沼 2015、195)。ヴァイツゼッカー独大統領の有名な言葉。「「立派なドイツ、ダメな日本」というステレオタイプの思い込み」(大沼 2015、205)。これもまた「脱亜入欧」そのものだという指摘は慧眼だ。明治以来一貫した「脱亜入欧」が、アジア諸国への差別意識として戦後も抜け難く残存している。
大沼保昭・江川紹子、2015、『「歴史認識」とは何か』、中央公論新社。

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