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戦争の記憶を次世代に語り継ぐことの重要性はよく言われるが、現実は様々な理由で絶望的に困難なものだ。当事者でない人間が理解できるのだろうか、当事者でないが故に現実の問題として捉えにくい。この演劇では、高校生が絵を描くことを通して、戦争を当事者性を獲得していく、その気持ちの変化の過程が表現されていた。絵を描く3人の高校生のうち、1人は被爆3世、1人は父親が自衛隊員。この2人はある意味で当事者に近しい動機付けがある。しかし、あとの1人は東京生まれで当事者性は極めてうすい。しかし、この1人も最終的にあの夏の絵を描くことになる、というのがこの演劇の肝となるところであろう。聞いた話を自らの想像力でつなぎ、形に残す。戦争の記憶を継承するひとつの回答を見たようで、ラストには微かだが希望が感じられた。
『あの夏の絵』、青年劇場。
観劇日:2025年8月1日
劇場:なかのZERO 小ホール
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