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見応えのある、そして凄まじい映画だった。「敵前逃亡」による処刑のため遺族年金を却下された妻が夫の死の真相を明らかにすべく元兵士を訪ねまわる。人肉喰の場面を含め戦地の映像は真に迫っている。敵との戦うための碌な武器も無い。あるのは飢餓と病と暴力に満ちた兵士同士の醜悪な争い。だからこそ戦後となっても、元兵士たちのような虐げられた者たちの戦争は終わらないのだ。対して戦争が遠い過去になった者たちもいる。軍法会議も経ずに処刑を命じた師団参謀が典型だ。そして総理にまでなったA級戦犯、大元帥だった天皇も戦争責任を回避してしまった。この絶望的な不均衡。
監督:深作欣二、1972、『軍旗はためく下に』
映画視聴日:2025年8月15日
映画館:新文芸坐
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