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映画『木の上の軍隊』

あの戦争における沖縄は、始めは「一撃講和」の一撃を期待された場所であり、後には本土決戦のための「捨て石」、時間稼ぎの場所であった。伊江島で生き残った2人の兵士は、「一人十殺」を唱え、国のために戦っているはずなのだが、その実は国に見捨てられた石ころに過ぎない。来るはずのない援軍を待ち、米兵の捨てた残飯を漁る。2人は狂気と飢餓の2年間を過ごすわけなのだが、あの戦争そのものが始めから狂気だったのだ。映画としてはどこに焦点を当てようとしたのか全体的にぼんやりとした印象をもった。2人の兵士だけの物語になっているので、時代背景は想像で補うしかない面も多々みられる。見る人によっては本当にあった不思議な話、ヒューマンドラマぐらいの感想しか残らないかも、と心配になる。


監督:平一紘、2025、『木の上の軍隊』
映画視聴日:2025年7月25日
映画館:グランドシネマシャンサイン

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