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中島京子『長いお別れ』

認知症と診断された元中学の校長だった彼をめぐり、同居の妻を中心に、離れて暮らす3人の姉妹などを含めた家族の視点で物語が語られる。病気の進行とともに家族の困惑と疲弊が深まるが、それぞれが彼の変化を受け入れようとする姿勢に救いが感じられる。最後の死の場面を、アメリカに居住する孫の言葉で語らせているところも、絶妙な距離感で良かった。

中島京子、2018、『長いお別れ』、文藝春秋。

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