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ハンセン病の国立療養所多磨全生園に隣接して建てられた資料館。入所者の募金活動によって1993年に設立され、2007年に国立の施設となった。ハンセン病の歴史について、古代から現代までの変遷を知ることができる。明治後期、国は患者を療養所に閉じ込める政策を始めた。やがてすべての患者を死ぬまで閉じ込める終生隔離を開始した。戦後、治療薬が登場し、治癒する病になった後になっても、療養所への隔離政策は温存される。その「らい予防法」が廃止されたのは1996年だ。この歴史は暴力と差別の歴史でもある。患者への虐待、患者家族への差別。戦前にはどこが早く全部の患者を療養所に隔離するか「無癩県運動」と呼ばれる競争までさせていた。遠い過去のことではない。今もなお差別は残存し、国による保障は不充分なままだ。コロナ禍において、感染者やその近親者への忌避、医療従事者への差別、県毎の感染者数を競争させるかのような報道などが過熱したが、瓜二つではないか。無知が差別を助長する。自らの自省をこめてそう思う。
国立ハンセン病資料館
訪問日:2025年5月28日
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