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三浦英之『災害特派員──その後の「南三陸日記」──』

東日本震災の発災翌日に被災地に入り、その後1年間、南三陸駐在として取材を続けた朝日新聞記者。当時記事にできなかったこと、そして取材のなかで出会った人たちのその後の10年を記したルポルタージュ。よそ者である彼が被災者にカメラを向けて話を聞き出すことに、常に葛藤を抱えながらジャーナリストは如何にあるべきなのかを自らに問い続ける。人間の営みの壮絶な記録の数々にページを繰る度に涙が込み上げた。「人を殺すのは「災害」ではない。いつだって「忘却」なのだ」(三浦 2024、13)。話が脱線するが、自分はこの「災害」を「戦争」にも置き換えることができるなと思った。

三浦英之、2024、『災害特派員──その後の「南三陸日記」──』、集英社。

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