最新の投稿
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
ヒトラーのもとで、ドイツ国民を侵略戦争に駆り立て、ユダヤ人虐殺を扇動するプロパガンダを仕掛けたゲッペルス。当時の映像を巧みに重ねながら、戦争と虐殺の醜悪な実態が映し出される。全てはゲッペルス自身の欲望の実現のため、虚実はいとも簡単に逆転する。「それは起きた。また起きるかもしれない」。ラストにアウシュビッツの生存者の女性が語る言葉が重い。それは既に世界各地で起きてしまっている。大国の指導者らによるデマや扇動は洪水のように世界中に溢れる。そしてイスラエルのパレスチナへのジェノサイドを世界は止められない。映画としては、ナチス政権内の人間関係の場面が中心で、一般のドイツ国民がなぜプロパガンダに煽られて蛮行に加担してしまったのか、そこが描かれていないのは物足りない。あと、邦題の「ヒトラーをプロデュースした男」のサブタイトルは要らない、軽すぎる。
監督:ヨアヒム・A・ラング、2024、『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』
映画視聴日:2025年4月22日
映画館:新宿武蔵野館
コメント