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山之口 貘 他『セレクション戦争と文学 8──オキナワ 終わらぬ戦争──』

1879年の琉球処分以降、アジア太平洋戦争末期の沖縄戦は勿論、戦後の占領期、本土復帰に至る間のオキナワを描いた中短編を集めた一冊。大城立裕『カクテル・パーティー』は占領期にあった60年ほど前の作品だが、米兵による暴行が揉み消されていく様子が描かれる。本土復帰して50年以上経った現代もその頃と全く変わらないではないか。霜多正次『虜囚の哭』は沖縄戦末期、米軍捕虜となった教師と女生徒が、未だ残っている住民に投降するよう呼びかけたが、日本兵が彼らをスパイだとして処刑する。しかしその日本兵らは最終的に米軍に投降して生き永らえる。何という理不尽、不条理なのか。


山之口 貘 他、2020、『セレクション戦争と文学 8──オキナワ 終わらぬ戦争──』、集英社。

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