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原武史『「松本清張」で読む昭和史』

政治学者が読む松本清張。惹かれる理由として「清張の作品が戦後史の縮図」(原 2019、9)である点、そして「タブーをつくらない」(原 2019、10)点をあげる。確かに、消え去ることのできない戦争の傷痕と、虐げられた人たちの目線が作品の基軸にあると感じる。ノンフィクションの『日本の黒い霧』はその代表だろう。「私たちは、平成の前の時代に当たる昭和史というものを、何となく知っているつもりでいます。しかし清張の作品を読むと、比較的近い過去ですら、実は何もわかっていなかったことに気づかされる。」(原 2019、12)

原武史、2019、『「松本清張」で読む昭和史』、NHK出版。

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