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柴崎友香『週末カミング』

高橋久美子『ぐるり』

奈良美智の絵が表紙を飾っている。それに惹かれて半ば衝動的に手に取った。所謂短編よりも短く、ショートショートと言うべきか。作者があとがきで書いているとおり「街ですれ違う誰かの、きっと明日には消えていく特別でない物語」(高橋 2021、211)が並ぶ。でもすべてが消えていくわけではない。何か言葉に表しにくい感情の欠片が小さな棘のように心に残ることがある。それは分かるのだが、残念ながら、本を閉じて自分の心に留まる物語は無かった。


高橋久美子、2021、『ぐるり』、筑摩書房。

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