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2019年安倍首相の選挙応援演説中にヤジをとばした2人の市民が警察に強制的に排除させられた事件とその後の裁判。ドキュメンタリー映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』でも描かれたこの問題について、2023年に開催されたシンポジウムを記録した本。参加者は長年公安警察の取材を続けるジャーナリスト青木理と、この裁判の弁護士、そしてヤジをとばした当事者二人。公安警察という存在の特殊性と国家権力との強い結びつきを再認識させられる。「今享受している言論の自由や報道の自由、その大切さを僕らは本当の意味で血肉化していないのではないか」(青木 2024、44)。この問題で浮かび上がるのは日本の民主主義の危うさと脆さ。その意味でこの裁判の当事者二人はまさに「炭鉱のカナリア」(青木 2024、64)であり、私たち市民全員に関わる問題を提起している。
青木理・竹信航介・ヤジポイの会、2024、『ヤジと公安警察』、寿郎社。
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