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福島第一原発を見学するツアーに参加した。原発の現況を見てもらおうと、東電が最近になって始めた企画で、限られた旅行会社が実施しているということだ。出発地点は東電の廃炉資料館。(この資料館は元々第二原発をPRする目的で建てられた施設。そのため外装がメルヘンチックなままで何とも言えないディストピア感)。ここで、スマホ、カメラ、その他貴重品を全て預け、配布されたベストを着用、ポケットに積算型の線量計と入館証を入れて、東電が用意したバスで10キロほど離れた第一原発に移動。原発手前の国道ではバス車内の線量計が1.2マイクロシーベルトに上昇。これは東京の約20倍だそうだ。原発構内は広大だ。汚染水を貯める巨大なタンクが無数に並んでいてまず圧倒される。このあたりで線量計は30マイクロシーベルトに上昇。そして1号機から4号機を臨めるブルーデッキと呼ばれる見学用のデッキでバスを降車。1号機建屋は水素爆発を起こした時のままで、変形した鉄骨がむき出しになっていた。爆発の凄まじさに身が竦む。写真を撮りたかったところだ。同じく爆発した3号機と4号機はカバーに覆われていた。バスの外に出られる時間は15分に制限されておりふたたびバスに乗車。廃炉資料館に戻り、ひとりづつ線量を確認して終了。
問題の中心は、廃炉作業であるはずなのに、東電の担当者の説明や配布された資料もALPS処理水に関するものが多く、この問題をおさめたい東電の意図が感じられた。原発構内では1日4,000名が数々の作業に携わっているという。廃炉まで30年から40年と言われているが、とても順調に進んでいるとは思われず、この先、気の遠くなるような年月と労働力が費やされるのであろう。こんなにも人間の手に負えない代物を作ってしまった愚かさを痛いほど感じざるを得ない。こんな有様でも東電は柏崎の原発を動かそうとしている。正気の沙汰ではない。
福島第一原子力発電所
訪問日:2024年8月3日
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