最新の投稿
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
沖縄戦は陸軍の戦闘を中心に語られるが、この資料館は海軍の戦闘を記録した場所だ。そしてここには海軍司令部基地として使用された壕がある。自然の鍾乳洞(ガマ)ではなく、人の手で掘られた地下壕だ。つるはしだけでよくこれだけのものを作ったものだと感心する。ほぼ当時のまま遺されたこの壕を見学できるのだが、内部の空気は蒸し暑く不快だ。持久戦に備えてこの狭い空間に4000人の兵を収容していたというのだからそれだけで狂気の沙汰ではないか。資料館入口には部隊の司令官だった大田少将が自害する前に海軍次官宛に送ったとされる電文が掲示されていた。「沖縄県民斯ク戦エリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」この一文は何かで読んだことがあったが、この海軍司令官のものだったのか。軍人が沖縄県民のことを慮る、どこか美談のような語りを感じる。“陸軍悪玉、海軍善玉説”をも想起させる。穿った見方かも知れないが、この資料館には戦争の綺麗な一面だけを見せている印象をもった。
旧海軍司令部壕
訪問日:2024年5月30日
コメント