最新の投稿

柴崎友香『週末カミング』

映画『正義の行方』

1992年の「飯塚事件」は、2006年に被告の死刑が確定、そのわずか2年後の2008年に死刑執行がされた。映画はこの事件に携わった警察や検察、弁護人の、いずれの側にも立たずに淡々と証言を並べていく。そしてこの事件をいち早く報じていた地元新聞社が、事件報道の検証をおこなう姿を追う。映画は最後まで真実がどこにあるのかは分からないままだ。果たして、人は、人を裁くことができる存在なのだろうか、と思う。ましてや死刑なんて。158分と長い作品だが、見応えのあるドキュメンタリーだった。しかし、証言で足りないものがある。死刑判決を出した裁判官、そして死刑執行の判断を下した人物(もちろん誰なのか分からないが)だ。それは到底叶わないことだとは思うのだが。それにしても、真実を語らず、墓場まで持っていく人間が多すぎやしないか。

監督:木寺一孝、2024、『正義の行方』
映画視聴日:2024年6月25日
映画館:ユーロスペース

コメント