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柴崎友香『週末カミング』

対馬丸記念館

1944年8月学童集団疎開の子どもたちを乗せて那覇港を出港した対馬丸が米軍の魚雷攻撃により沈没。乗船者約1800名の8割が犠牲になった事件を記録展示している博物館。海に沈んで亡くなった多くの子供たちも、筏につかまって漂流し辛うじて命をつないだ子供たちも、国家による無謀な戦争に翻弄された犠牲者だ。さらには詳細な被害調査は実施されず、正確な全体像は明らかになっていない。加えて、救出された子供たちは、憲兵から厳しく箝口令を言い渡され、事件のことを口外できなかったという。人間の生命をぞんざいに扱う国家の醜悪さがこの事件に滲み出ている。最近沖縄への武力攻撃の事態に備え、沖縄から九州各県への避難計画を策定するというニュースが報じられた。本気でそのようなことを考えているのだろうか。政府の愚かさに言葉を失う。彼らには一度この記念館を訪れてほしいものだ。

対馬丸記念館
訪問日:2024年5月29日

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