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柴崎友香『週末カミング』

演劇『夢の泪』

昭和21年、東京裁判においてA級戦犯の松岡洋右の弁護人を依頼された弁護士一家が舞台。松岡洋右と言えば、国際連盟の脱退演説や日独伊三国同盟の締結で名を馳せた人物。この劇において、弁護士の女性は、松岡の弁護を通じて、あの戦争が何だったのかを明らかにして歴史に残したい、と弁護を引き受ける。しかし、日本政府は終戦直前に行政文書を焼却、戦後はGHQが文書を押収、真実を明らかにするための資料が存在せず絶望する。東京裁判はGHQによる恣意的なセレモニーであり、ウォー・ギルト・プログラムの一環でもあったのか知れない。あの戦争でも、戦後も、多くの市民は相変わらず虐げられたままだ。この当時も今も、日本は自らが犯した罪を反省し歴史から学んでいくことができていない。


井上ひさし作、栗山民也演出、『夢の泪』、こまつ座。
観劇日:2024年4月25日
劇場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

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