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柴崎友香『週末カミング』

映画『二十四の瞳』

アジア太平洋戦争の終戦から9年後、独立から2年後の1954年(昭和29年)に公開された作品。日本映画史上に残る名作と名高く、興行的にも大ヒットしたという。評判どおり感動的な作品だった。舞台は昭和3年の小豆島の分校ではじまる。主人公の教師と教え子の12人の運命は、満州事変以降の貧困と戦争が重くのしかかる時代に翻弄される。全体を通じて伝わってくるのは、反戦の感情。ただそれは、誰かの責任を追及するような表立ったものではなく抗えない運命のように静かに描かれる。

この映画の抑制された反戦の表現は、戦争に打ちのめされ、うんざりしていた日本人の感情に、ぴたりと合っていたのだと思う。

監督:木下恵介、1954、『二十四の瞳』。

映画視聴日:2023年10月31日

映画館:池袋文芸坐


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