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柴崎友香『週末カミング』

映画『658km、陽子の旅』

東京で孤独に暮らす主人公の陽子(菊地凛子)が、父の訃報を知りヒッチハイクで故郷の青森を目指すロードムービー。40代前半、いわゆるロスジェネ世代、夢を抱いて上京したものの、思うようにいかず社会に埋没。いつの間にか20年が過ぎ、引きこもりのような生活。人との会話もうまくできない彼女のヒッチハイクは困難の連続。映画の前半は無口で情緒不安定な彼女に感情移入するのは難しかったが、彼女の心に変化の兆しがあらわれてくるにつれ徐々に物語に惹きこまれた。そして最後には陽子と自分が重なり合うように思えた。陽子とは誰なのか。自分自身ではないのか。

監督:熊切和嘉、2022、『658km、陽子の旅』。
映画視聴日:2023年8月16日
映画館:テアトル新宿

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