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戦前戦中の軍国主義、現在のハラスメント問題やメディア報道、社会問題に至るまで、その原因が同調圧力にあるとする論調。なるほどとうなずけるところも多々あるが、同調圧力だけにその原因を求めるのは少し無理があるだろうか。
日本でとりわけ同調圧力が強いように感じられるとしたら、それは社会の中で「個人」を尊重しようとする風潮と、一人一人の国民や市民の内面における「自分は個人だという意識」が、諸外国に比べて少ないからではないか。(山崎 2023、69)
この「個人」の意識の低さはどこからもたらされたのか。筆者も言及しているが教育の影響は大きいのだろうと思う。
日本では、「批判」という言葉は「否定的」と混同して使われることも多いですが、批判的思考は必ずしも対象を否定的に捉える思考ではなく、論理的に問題点の洗い出しを行うことで、対象の完成度を高めるという効果が得られる場合もあります。(山崎 2023、235)
この指摘はどんな組織にも日常的にみられる。「批判」は本来ポジティヴな思考行動なのにも関わらず「悪口」と同一視している人が少なくない。個々が物事を自分の頭で考えて自分の意見を持つことができていない。これが問題の根本にあるのではないか。史実を学びそれを自分の頭で消化する。それにはさらに多くの知識が必要になるはずであるし、時に哲学的思考が必要ははずだ。
---山崎雅弘、2023、『この国の同調圧力』、SBクリエイティブ。
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