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映画『人間の條件』

第1部・純愛篇
第2部・激怒篇
第3部・望郷篇
第4部・戦雲篇
第5部・死の脱出
第6部・曠野の彷徨
全6部構成で上映時間は9時間半を超えるまごうこと無き戦争映画の大作。3日間で全編を鑑賞。緊張感の連続で飽きることなく最後まで魅せる。アジア・太平洋戦争末期、満鉄の鉱山の労務管理の任についた仲代達矢演じる主人公梶。過酷な労働を強いられた八路軍捕虜が反乱をおこし斬首の刑となる。それを止めた梶は軍部への反抗と見做されてリンチをうけソ満国境に召集される。ソ連の侵攻で部隊の大半が戦死。妻のいる満州を目指して過酷な原野を歩き続けるがソ連に拿捕されシベリアに抑留。脱出して雪の原野を歩き続けるが息絶える。梶はヒューマニスト、理想主義者。それ故に不正を許さず組織内で衝突する。それでも生き残るため人を殺める。敵との戦闘、捕虜への虐待、軍隊内の制裁、女性への暴行。全編にわたって理不尽な暴力が絶えない。梶自身が語ったように根源的な悪は軍隊。希望は一体どこにあるのか。最初から最後まで仲代達矢の演技は圧巻。戦後15年しか経過していないこの時期、この映画に当時の観客は戦争の実像を自分の経験と照らし合わせて観たことであろう。


監督:小林正樹、1959-1961、『人間の條件』
映画視聴日:2026年9月28日~30日
映画館:新文芸坐

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