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白井久也『検証 シベリア抑留』

「シベリア抑留は、ソ連の当時の最高指導者スターリンの意思決定により行われたことにほかならない」(白井 2010、56)。ポツダム宣言にも違反する抑留をソ連がなぜおこなったのか、ことは単純ではなさそうだが、ソ連は用意周到に準備し、アメリカも結果的にこれを黙認していた。そして日本側の対応について最も知る立場にいたのが瀬島龍三であろう。筆者は彼の人間性についてこう評する。「軍人勅諭を最大の価値観とする清廉潔白な根っからの軍人であると同時に、秩序と栄達に生き甲斐を見出す極めて俗物的な思考様式」「この二律背反する価値観が、一人の人間の中に「同居」していたのが、瀬島その人であった」(白井 2010、221)。「フィリピン戦線で発動された「捷一号作戦」に絡む「電報握り潰し事件」。東京裁判出廷をめぐる嘘。11年におよぶ抑留生活の実相。彼は「『歴史の真相』を闇に包んだまま、墓場に持っていってしまった」(白井 2010、184)。

白井久也、2010、『検証 シベリア抑留』、平凡社。

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