自分の中に爪跡を残している。もう会うことのできない「忘れ得ぬ人々」。彼らとの邂逅と死による別離までの関係性と心の揺らぎが巧みな筆致で描かれる。ページを捲りながら思わず涙腺が緩む。表題は、柳家喜多八と立川左談次の最後の高座までが綴られる。「だれかの「死」はもっと、残されたものが人生をかけて考えるべき問題」(サンキュー 2023、306)。いい本を読んだ。
「これやこの行くも帰るも別れては しるもしらぬも逢坂の関」
サンキュータツオ、2023、『これやこの──サンキュータツオ随筆集──』、KADOKAWA。
コメント