映画『戦雲 いくさふむ』

国防の名のもとに、与那国島、宮古島、石垣島にミサイルが配備され、弾薬庫が建てられ、実弾演習の銃声が響き、町を戦車が走る。行政はそれについて碌な説明もしないままに、反対する住民の声を無視し、軍事基地化が進行する。沖縄本島だけでなく南西諸島がこのような状況になっているとは。報道もされず、国会で議論もされないままだとすれば、知る由もない。国を守るためと言うが、その場合の「国」とは何なのか。南西諸島を戦場にして、つまりは住民を犠牲にして、守るものと守らないものを選別しているのではないか。あの79年前の沖縄戦をもう一度やろうとでもいうのか。「台湾有事」を煽りながら、アメリカの軍事戦略の先兵隊をやらされているだけではないのか。

上映後、金平茂紀さんと三上智恵監督のトークショーがあった。

監督：三上智恵、2024、『戦雲』

映画視聴日：2024年4月3日

映画館：ポレポレ東中野